2018年M&Aの概況

企業買収は2018年も積極的に行われ、1月~9月のM&A金額は全世界で約370兆円と前年同期より39%増え、同期間としては過去最高となった。

2018年のM&A概況とすれば、案件の大型化と国際化が挙げられる。武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収金額は約6兆8,000億円と2018年では世界で最高額となった。

100億ドルを超える案件は全世界で40件と7割強増え、国をまたぐ案件合計額は1兆3,580億ドルと6割増えM&Aの大型化と国際化が進んでいる。

日本企業においても世界のM&A市場で存在感を強めており、2018年1月~6月の海外企業をターゲットにしたM&Aは約12兆7000億円と過去最高を記録した。

2017年度末で上場企業の手元資金は約120兆円もあり、カネ余りが日本企業の大型M&Aを後押しする面もあった。

しかし高値掴みには気を付けなければならない。過去には日本郵船が豪物流大手トール・ホールディングスの買収で結果的に4,000億円の損失を計上し、東芝も米原子力大手ウエスチングハウスのM&A失敗により6,000億円超の損失を計上した。

日本企業は海外M&Aの際に高値での買収を行っている事が多々あるが、上場企業は個人投資家を含めた株主が所有者であり、経営者のみが所有者ではない事を改めて認識する必要があるのかもしれない。(千)