2016年明けからの世界的な株安、原油安、新興国の景気後退によって、市場が乱高下あるいは日本経済の停滞リスクが懸念されている。そのような背景から企業がさらなる投資を躊躇する実情も垣間見て取れる。しかし全く逆の視点から物事を見ると、リスクのある状況だからこそチャンスを掴もうとしている産業界のリーダー達もいる。
日本電産は2016年1月7日に2017年3月期の設備投資額を過去最高の1200億円にすると発表。永守社長は「最近、株安や円高が進んでいるのは会社を買うチャンス」と語り、国内の電機産業などのM&Aに強い意欲を示した。
また、2016年株主総会にてアップルCEOのクック氏は株安環境を生かしM&Aを積極的に仕掛けていく方針を打ち出した。
さらに、三菱UFJ銀行はフィリピン大手銀行に1000億円程度を出資し、20%の株式を握る。邦銀は国内低金利を背景に2008年の金融危機以降も海外融資を急拡大させてきたが、資源安や新興国経済の変調を受けて戦略の転換を迫られつつある。株安によってM&Aを活用した事業戦略を進めやすい環境が生まれている事もあり、融資から投資に海外戦略の軸を移しつつある。
産業界の中心にいるリーダー達は逆境下の中でこそ成長の種を蒔く。まさにこれからの企業に求められているのはリスクに萎縮するのではなく、企業価値を高めるための正確な目利きとアグレッシブな行動だと考えられている。