2022年に日本企業が関連したM&A件数は前年比1%増の4304件となり、過去最高だった2021年の4280件を超えた。金額ベースでは、前年比32%減の11兆4356億円とマイナスとなったが、日本企業同士のM&Aでは4兆59億円と同26%増えた。
最近のトレンドとしては非中核事業や子会社を切り離す「カーブアウト」と呼ばれる案件。主力事業に経営資源を重点投下する一方、経営資源を割り振る重要度が低い非中核事業を売却するケースが特に上場企業で多くみられた。具体例としては、日立製作所による米投資ファンドKKRへの日立物流の売却やオリンパスの工業用顕微鏡などを手掛ける科学事業が米ベインキャピタルへ売却されたケースなどである。このトレンドは2023年も継続するものと思われる。
経営資源を振り分けるなど適切な投資ができない事業については必然的に競争力は落ちる。こうなっては、企業もそうだが、日本経済そのものの地盤沈下につながる。競争力が無くなり誰も見向きもしないような業績になってからでは買い手が付くことはまず無い。有望な買い手候補がいるうちに非中核事業と定めた事業は適切に売却し、事業ポートフォリオの再編を通じて競争力を高めていくことが日本企業には求められている。(千)