2021年3月末時点で世界のアクティビストが持つ日本株は3兆8300億円と5年で2倍以上となった。きっかけは「日本の制度改革が進んだから」と米アクティビスト関係者は話す。しかし、多くの日本企業は、株主価値最大化のために黒字事業さえも売却するといった株主資本主義のドライな思考にはまだ免疫ができていないのが実情である。
アクティビストに狙われる企業は少なからず過去の成功にとらわれ、稼いだキャッシュを抱えたまま事業モデルが色褪せていることが多い。アクティビストとの対話で十分に折り合えず、ときに極端な株主提案を突きつけられる背景には企業自らが株主のほか、債権者、従業員といった利害関係者に響く成長ストーリーを描いていないという実態もある。
政治主導で企業統治改革が進む日本に対して香港のアクティビスト関係者は「攻略が難しかった日本が突如として『開国』してくれた」と表現する。経営側はこのように今後もアクティビストが日本で活動してくることを前提に「株主はものを言うのは当たり前」と認識を改めるべきで、各上場企業が主体的に変革を進めていく必要がある。(千)