現在、インターネットによるM&Aマッチングサイトの普及により、譲渡価格が1000万円以下の個人型M&Aが盛り上がりを見せている。個人型M&Aが増えている背景には、①経営者の高齢化による承継ニーズの増加、②買い手が個人となる事例が増加し、ブームとなりつつあること、などが挙げられている。今後、個人型M&Aは新たな起業の形として増加していくものと思われる。実際に中小企業庁によると、仲介大手による中小企業M&Aの成約件数は2017年に526件と2012年の約3.4倍の水準となった。
デメリット・要注意事項としては、従業員が新しいオーナーを受け入れない可能性や、簿外債務の発覚、買収金額以上に資金が必要になるケースが発生し、事前に想定した経営ができない可能性もある。特に、簿外債務の調査や従業員のケアに関してはしっかりと行う必要がある。
ただ、すでに事業が行われているため、取引先や顧客をそのまま引き継ぐ事ができ、設備や人材などを一から揃える必要も無ければ、必要な許認可がすでにあるため、即、経営できる点はメリットである。大事なのは例えば500万円で買える会社を探すのではなく、500万円で買う価値のある会社を探す事。そして買収金額以上に更に企業価値を高めていけるかという構想も持ち合わせておく必要がある。
今後ますますデジタル化が進むと思われる日本において、個人型M&Aが大廃業時代の救世主となりうる可能性があるため、マッチングサイトを活用した動きは今後も注目されよう。(千)