パンデミックによるM&A遅延例

平時にこそ、迅速に事業ポートフォリオを最適化する行動力が必要だ。昨今のような経済停滞に伴っての株価の下落は再編の好機とも言われる事はあるが、実態は必ずしもそうではない。

日本では神戸製鋼所が子会社株式会社の一部をファンドに2020年3月31日に売却する予定であったが、ファンドからの申し出により延期になった。

アメリカにおいてもメディア大手のバイアコムCBSも傘下の出版事業サイモン&シュスターの35億ドル規模の売却計画を中断した。また、通信大手AT&Tも傘下であるスポーツ中継地方局の売却を棚上げした。理由としてはパンデミックによるスポーツ中継視聴率や広告収入が下落している事が要因と見られている。

株価下落によってアメリカ事例においては当初予想されていた売却金額に満たない為に中断をし、日本事例においてはファンドが買収価格が下がる事を見込んで延期を申し出したと推察する。

 日本企業において特にM&A案件については慎重姿勢になる傾向があるが、上記の事例を鑑みると平時の際にノンコア事業の売却という正しい事をしっかりと行う行動力が問われている。(千)