2018年3月に金融庁がコーポレートガバナンスコードの改定案を発表した。コーポレートガバナンスコードは2015年に導入されたが、その主な改定案として、①政策保有株についての保有の適否を検証すること、②取締役会での社外取締役の一段の活用を求めること、③経営戦略面では事業配分の見直しや設備投資などの理由を明示すること、等が指摘されている。
コーポレートガバナンスコードが改定され、企業が経営の効率性と透明性をより高めることは歓迎されるべきであるが、大事な点は他にもある。それは、経営者の意識改革である。日本の上場企業には、問題を先送りし、リスク対処が遅れるという、いわば良からぬ風習が根強く残っており、そのことも作用してか収益性が国際的に見て低いという議論を度々耳にする。
コーポレートガバナンスコードが3年前に施行され、「攻めのガバナンス」のスローガンの下、取締役会を中心にリスクテークできる環境整備の必要性が謳われ、その土壌はできつつあるかもしれないが、実際に経営戦略を立案し決断するのは経営者である。経営者の意識改革は極めて重要な要素である。今回のコーポレートガバナンスコードの改定により、経営者には事業の選択と集中を含めた明確な意思決定が求められるというのがメッセージだ。(千)