世界的に業界再編が進んでいるが、日本企業については積極的に業界再編を主導していく必要に迫られている。中国の中国化工集団(ケムチャイナ)による農薬最大手スイス・シンジェンダの買収は成立し、米ダウ・ケミカルと米デュポンは世界首位を目指して統合手続きを進めている。
一方、国内に目を向けると三菱ケミカル、住友化学、旭化成、三井化学の化学4社と国立研究開発法人の物質・材料研究機構が6月19日に新素材の事業化を目指す共同研究を始めると発表。
同じ業界でしのぎを削ってきた4社が団結することで、より素早く、高性能な新素材を生み出せるとみているが、グローバルな視点でみると、化学産業や素材産業は欧米や中国の企業を中心に買収額が1兆円を超える巨大再編が相次ぎ、このまま日本企業が重複する領域の研究開発を個別に進めても、競争力を維持するのは難しいとの見方がある。
近年の日本企業による大型再編は、鉄鋼とアルミ業界で起こった。鉄鋼では2012年に新日本製鉄と住友金属工業が、アルミでは2013年に古河スカイと住友軽金属工業がそれぞれ統合した。
株式市場ではM&Aを実施した企業の銘柄を選別する動きも出てきている、評価を受けているのは同じ業界内の再編に積極的に動いた企業としてアサヒグループHDや日本電産が注目された。
アサヒグループHDは2016年12月に英ビール大手の東欧5カ国のビール事業を買収すると発表してから2017年6月13日の終値までに株価が3割近く上昇した。ほかにも、昨年10月に米企業保険大手の買収を発表したSOMPOホールディングスは13日終値までに4割上昇した(出所:日経新聞)。
それぞれの企業には戦略があるため、一概には言えない部分もあるが、上場企業はグローバル競争に打ち勝つためにも業界再編の必要性が増してくるものと思われる。(千)