製造業の世界生産能力は、需要量を上回りながら拡大し、供給過剰の状態が続いていくのではないかと危惧している。鉄鋼業の世界生産能力は20億トンと推定され、需要量の15億トンを上回っていると伝えられている。生産者は供給過剰による製品価格の下落により、常にコストダウンを迫られている。雨後の筍と言ったら言い過ぎだが、次々に高炉が新設されれば、買収による生産設備の統合も追いつかず、資本は疲弊する。今後、アフリカを含めた拡大指向の新興国の事業家が我もと設備を新設すれば、世界の生産能力はさらに高まり、需給ギャップは解消する余地が小さくなろう。そこに自由主義が加われば、さらにその傾向は強まろう。モノ作り復権の米国でも設備投資の高まりから生産能力が高まっている。製造技術がデジタル化等によって画一化の時代になり、市場がさらに開放すれば、ただ単なる生産能力ではなく、製造する能力の強い方が経済戦争に勝利することになる。コスト競争のなかで、ロボットを採用(雇用)するのか、人間を雇用するのか、難題である。